コンデンサアナライザー 6632C
10MHz

アプリケーション

6632C 内蔵ESR測定およびスイープ解析機能付き

等価回路モデルの観点から見ると、実際のコンデンサは理想的な部品ではありません。
コンデンサンス（C）に加えて、等価直列抵抗（ESR）や等価直列インダクタンス（ESL）といった寄生要素を含んでいます。

ESRは電極、リード線、誘電体、内部構造に起因し、小さな直列抵抗として現れます。
これによりエネルギー損失や発熱が発生し、特に低〜中周波数帯で効率や寿命に影響を与えます。

ESLは主にリード線、内部の積層構造、パッケージングによるもので、高周波数帯で顕著になります。
静電容量とESLが共振すると自己共振周波数（SRF）が発生します。
この周波数を超えるとコンデンサは誘導性を示し、有効なフィルタリングやデカップリングができなくなります。

6632Cコンデンサアナライザーは、10Hzから10MHzまでの高周波測定に対応しています。
内蔵のESR（等価直列抵抗）機能により、メーターモードで迅速なESR測定が可能で、エンジニアがコンデンサの損失および熱安定性をリアルタイムで評価するのに役立ちます。

スイープモードでは、インピーダンス（Z）および位相（θ）を周波数に対して解析し、自己共振周波数（SRF）を特定します。
コンデンサの周波数特性を評価することで、エンジニアは動作周波数全体での性能をより深く理解でき、フィルタ、デカップリング、電源設計の最適化によって信頼性と効率の向上を図ることが可能になります。

誘電率（εr）測定機能内蔵

日常生活の多くの材料は誘電体に関連する電気特性を持っており、例えば新エネルギー車に使用されるDCバスコンデンサは、高い誘電率を持つ誘電材料が求められます。
電気自動車においては、パワーバッテリーの性能が航続距離に直接影響し、バッテリーの電極材料の誘電特性が性能の鍵となります。

6632Cコンデンサアナライザーは、材料に交流励起信号を印加し、同時に実際の印加電圧を監視することで、相対誘電率の測定を可能にします。
材料の寸法とキャパシタンス値、ならびに損失係数Dを測定することで、材料の相対誘電率（εr）を算出します。

 6632Cは、誘電率および透磁率測定用の以下の材料試験治具を装着可能です。

6632C はDCバイアス電圧測定機能をサポートしています。

内蔵12Vに加え、外部からは40V／200V／600V／2000Vの印加が可能です。

電子回路において、コンデンサはフィルタリング、デカップリング、エネルギー貯蔵、電圧安定化の役割を果たしますが、直流バイアス下では静電容量が急激に低下することがあります。
印加された直流電圧は誘電体の分極を抑制し、特に高誘電率セラミックスでは著しい容量損失を引き起こします。
この影響をパワーモジュール、デカップリングネットワーク、DC-DCコンバータ、高速通信回路で無視すると、リップルの増加、不安定動作、EMI問題を招く恐れがあります。

MICROTEST 6632Cは±12 Vの内蔵DCバイアス電圧測定機能を備え、コンデンサのバイアス特性を精密に解析可能です。
さらに、以下の外部DCバイアステストソリューションも提供しています：

付属品

標準付属品

電源コード
DIP テストフィクスチャ (FX-000C19)

MLCC｜オプション

For MLCC (Class 2) -自動レベル補償治具
自動レベル補償治具    (FX-LR0001)
SMD 部品試験治具    (FX-000C12)

オプションアクセサリー

PC リンクソフトウェア
DIP テストフィクスチャ (F423503)
DIP テストフィクスチャ (F423504)
SMD テストフィクスチャ (F423905)
ケルビンクリップリード (F423906A)
底部電極用SMD試験治具 (FX-000C10)
SMD ピンセットテストリード (FX-000C11)
SMD テストフィクスチャ (FX-000C12)
誘電材料試験治具 (FX-0000C7)
液体誘電材料試験治具 (FX-000C20)
磁性材料試験治具 (FX-0000C8)
材料試験治具 (FX-0000C9)
外部電圧バイアス (F420001)
外部電圧バイアス (F420003)
外部電圧バイアス (F420006)
BNC テストリード (F663001 A/B/C)

ダウンロード

ビデオ